一般耐震診断は実際に建物を調査して建物の状態を判断し、
現状および設計図と計算により建物の強さを計測する方法です。
動的診断同様に「耐震改修の有無」を判断するための一つの材料となります。
一般耐震診断とは?
診断からわかること
報告書サンプル
【 一般耐震診断とは? 】
一般診断の主目的は耐震補強の有無を判断することであり、補強設計を行う場合は精密診断によらなければなりません。
【 一般耐震診断からわかること 】
建物が保有する耐力と必要耐力を比較してその建物が安全かどうかを計算により診断します。
1)必要耐力の算定
必要耐力Qrは仕上げ材の仕様および建設地の状況(地域係数Z、積雪量)に応じて決まる「床面積当たりの必要耐力(kN/u)」に各階の床面積を乗じて求めます。
2)保有する耐力の算定
保有する耐力(Pd)は下式により算定します。
Pd=P・E・D
P:強さ
E:耐力要素の配置等による低減係数
D:劣化度による低減係数
3)上部構造評点
各階、各方向(X、Y)について、保有する耐力(Pd)を必要耐力(Qr)で除した値を算出し、その最小値を上部構造評点とする。
上部構造評点=Pd/Qr
4)総合評点
一般診断では、地盤・基礎、上部構造に分けて評価します。
5)地盤・基礎
一般診断用チェックシートをもとに、地震時に起き得る被害、上部構造に悪い影響及ぼす可能性のある要因を報告します。
6)上部構造
下表により判断します。
上部構造評点 | 判定 |
1.5以上 | 倒壊しない |
1.0以上1.5未満 | 一応倒壊しない |
0.7以上1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
【 一般耐震診断・報告書サンプル 】
