動的耐震診断は、よりよい耐震改修のお役にたてるシステムです。
また、上棟時および新しい建物の構造確認にも利用できます。
動的耐震診断とは?
調査の方法
診断からわかること
Q&A
【 Q&A 】
動的耐震計測システムについて良くある質問についてQ&Aを設けました。

周波数とは、1秒間に波が往復する回数のことで、単位はHz(ヘルツ)で表します。
動的耐震診断の場合には、起振機の振動が1秒間に何回往復するかを表します。
加速度が同じである場合には、低い周波数の方が振幅の幅(変位)が大きくなります。
したがって、家がいちばん揺れやすい周波数(卓越周波数)が低い物件ほど、地震時には大きく揺れやすい傾向があります。
木造住宅の場合、卓越周波数は、だいたい4Hzから8Hzの間にあります。
卓越周波数が4Hzの建物と、8Hzの建物とでは、前者の方が剛性の低い建物である(揺れの幅が大きくなりやすい)、ということができます。
では、地震は、いったい何Hzでくるのでしょうか?
これは地盤の状況によって異なります。一般には硬い地盤では卓越周波数が高く(揺れ幅が小さくなりやすい)、軟弱な地盤では卓越周波数が低い(揺れ幅が大きくなりやすい)傾向にあります。
いったい何Hzの地震がくるのか、それを調査するため、動的耐震診断においては地盤調査を行います。


しかし、これは診断結果として表示するには大まかにすぎること、また、約400gal以上のすべての地震が震度7と表示されることから、この報告書では、地震の揺れの強さ(加速度)を示すものとして、「gal(cm/s2)」を用いています。
以下に、加速度と震度階級との関係を表にしています。
また、地震の規模を表すのに、「マグニチュード」という語が使われます。「マグニチュード」は地震そのもののエネルギーの大きさを表すもので、「加速度」や「震度階級」は調査地での揺れの大きさを表すものです。
ちなみに、兵庫県南部地震(阪神大震災)の地震の規模はマグニチュード7.2、震源から
約25km離れた神戸海洋気象台では818galの揺れを記録しています。
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加速度(gal) | 震度階級 | |
〜0.8 | 0 | 人は揺れを感じない。 |
0.8〜2.5 | 1 | 屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。 |
2.5〜8 | 2 | 屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が目を覚ます。 |
8〜25 | 3 | 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 |
25〜80 | 4 | かなりの恐怖感があり、一部の人は身の安全を守ろうとする。眠っている人のほとんどが目を覚ます。 |
80〜250 | 5弱 | 多くの人が身の安全を図ろうとする。一部の人は行動に支障を感じる。 |
5強 | 非常な恐怖感を感じる。多くの人が行動に支障を生じる。 | |
250〜400 | 6弱 | 立っていることが困難になる。 |
6強 | 立っていることができず、はわないと動くことが出来ない。 | |
400〜 | 7 | 揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。 |


そして、建物2階の床に検出器を設置することで、建物1階の挙動を把握することができます。
建物1階の挙動を調べるのは、地震時には1階が崩れ落ちて倒壊することが圧倒的に多いためです。


これは、震度1からせいぜい震度2に相当するものです。
これくらいの揺れでは物が落ちたりすることはありませんし、ましてや家が壊れるといったことは起こりません。
震度1・・・0.8〜2.5gal 屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。
震度2・・・2.5〜8.0gal 屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が目を覚ます。

建物用起振機は、建物1階重心部の真上にあたる部分に設置します。
ここに設置して建物に振動を与えることで、正確なデータを取得することができます。
振動機設置 じゅうたんの上 ・・・× たたみの上 ・・・× |
また、振動が減衰してしまうおそれがあるため、絨毯の上や畳の上に振動機を設置することができません。
1階重心の真上が和室などで起振機が設置できない場合は、重心線上の設置可能な場所に起振機を設置します。
この場合は、X方向の計測が終了したらY方向の起振機設置場所へ起振機を移動させる必要があります。





